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健康アドバイス

不眠に効くツボ

心を整える

監修:鍼灸師/国際中医師/国際中医薬膳部 宮地つかさ

眠いのに眠れない ー そのような体験は、どなたにもあるはずです。しかし、何日も続くと不快なものです。睡眠不足から日中眠くなったり、頭がぼ〜っとして働かないといった状態を引き起こします。

また、不眠には寝つきが悪いという症状だけではなく、睡眠中よく目が覚める、熟睡できないといった症状も含まれます。朝、目覚めた時に「よく寝た」という充実感が味わえてはじめて「快眠」といえるのです。

では、なぜ眠れないのでしょうか。食べすぎでお腹が張って眠れない、冷え症で足が冷えて眠れないということもありますが、わかっていながらコントロールが難しい原因に「神経の高ぶり」があります。うれしいことがあって感動が冷めやらない、どうしても気になることが頭から離れない、頭に来たことがあり怒りが収まらないなど、眠ろうとすればするほど目が冴えてしまうことがあります。

そのような時は「神門」です。このツボは手首の内側、小指の下(詳しくは図をご覧ください)にあり、便秘のツボとしても有名です。「神門(しんもん)」は「神」の門と書くくらいですから、文字から何となく精神的なものと関係していることがうかがえますが、実は東洋医学でいう「心」にかかわる問題にとても効果のあるツボなのです。

東洋医学の「心」は、「心は脈を蔵し、脈は神を舎す」といわれ、心臓の他に血や精神も広く含んでいます。「神」は神様のことではなく、その人らしく生き生きと考え行動する「意識」のようなものです。そのため心配事や緊張から「どうしよう」と思考がうまくまとまらない時にもお勧めです。

また、「血」には神経の高ぶりを抑える働きがありますので、貧血や働きすぎ、長引く病気などで血が消耗されていると、怒りやすくなったり、物事が気にかかるようになり、不眠になりやすくなります。慢性的な不眠の方は、血の不足が根本原因の場合があります。

「神門」は不眠ばかりでなくどうきが止まらない時にも覚えておくと役立つツボです。

神門(しんもん)

【ツボの位置】

手のひら側で手首の小指寄りの端にある窪み

【探し方】

不眠、どうき、便秘、緊張、ため息、物忘れ

神門(しんもん)