伝統をたずねて:秋田杉桶樽

小山 織氏
小山 織(こやま・おり)氏 [インテリアスタイリスト]

都区内に唯一残る造り酒屋の長女として生まれる。早稲田大学文学部卒業。
雑誌編集部勤務の後、フリーランスのインテリアスタイリストとして、雑誌、広告のインテリアテーマのスタイリングや執筆を手がける。日本の伝統的な生活文化に造詣が深く、機能的で美しい伝統の逸品を現代の暮らしに生かす提案を続けている。著書に「和の雑貨」「引出物」「小山織の和の雑貨とインテリア」(以上マガジンハウス)「職人気質をひとつ」(NHK出版)。 近著に「INSPIRED SHAPES」(講談社インターナショナル刊)などがある。

卓上一夜漬

■卓上一夜漬
漬けもの容器は台所専用の道具という概念を破った画期的なテーブルウェア。蓋や錘を外して卓上へ。押しは7段階調節可能。∅18×H17㎝ ¥16,800

紅白二段重

■紅白二段重
桶樽には使われない杉の白太(幹の外側の部分)を生かし、赤身(中心部分)と組み合わせて紅白を表現したお重。お祝いの席に。∅19.5×H11.3㎝ ¥14,700

ビールはアルミ缶、ミネラルウォーターはペットボトル、大量の液体はポリタンクなど、液体や水分を含んだ食品の貯蔵や運搬の道具として工業製品の便利さに慣れて久しい現代。かつては、各地の桶樽職人さんの杉や桧の手仕事で地域の需要がまかなわれていました。酒や味噌など発酵食品製造には直径も高さも2メートルあまりある大桶が欠かせない道具でした。古式の製造法にこだわる醸造所では杉樽は今も生きていますが、一般的にはステンレスやホーローになっています。

短冊状に割った杉や桧の木片を輪に並べ、竹たがをかけて底板と蓋板をつけて作る大小の桶や樽は、室町時代に作られるようになって以来、昭和の初めまで暮らしと営みを支えてきました。

桶樽の良材の産地としては吉野や秋田が知られています。

鎌田勇平さんは秋田県能代市で幕末創業という樽冨かまた十一代目。昭和八年生まれの鎌田さんは高校卒業後修行を始めて家業を継ぎ、現在はモダンな感性の息子さん、雄平さんとともに制作を続けています。

ホーローやステンレス製品が徐々に杉の桶樽にとってかわり、昭和半ばには大量生産のプラスチック製品が普及。そうした時、柔軟で発想力豊かな鎌田さんはいち早く、桶樽作りの技を生かしてテーブルウェアの制作を始めました。現代の生活様式に寄り添う鎌田さんの造形感覚から生まれる作品は独特の創意が凝らされ、陶磁器や漆器とは別の趣の清々しさと気取らないあたたかみがあります。杉の香り、白木の清らかさが加わる食卓は新鮮な気配。

片口銚子樽

■片口銚子樽
すっきりと粋な注器。細長いので手が滑り卓上で倒しやすい。それを防ぐため斜めに立てかけて置ける台座付き。約3合入り。∅9×H26.5㎝ ¥15,750

銚子樽1合

■銚子樽1合
通常、桶は柾目、樽は板目の木取りで作られますが、これは板目より耐久性の高い柾目のミニ樽。レンジで好みの温度にお燗が可能。∅9×H9.5㎝ ¥6,300

漆波型ボウル(小)

■漆波型ボウル(小)
縁のカーブがモダン。和洋中華料理それぞれが映える器。漆塗りのため汚れにくく、ソースや油の料理にも気楽に使えます。∅29×H8.5㎝ ¥23,100

ぐいのみ

■ぐいのみ
天然杉の木目を生かした刳物(くりもの)の酒器。柾目の桶、板目の樽とひと味違う趣。調味入れなどぐいのみ以外の使い方も楽しい。各∅5×H6㎝ 2個セット ¥2,100

お問い合わせは(有)樽冨かまた 電話 0185-52-2539