はあとふる対談:一流になれ! ゲスト:高橋 光臣(たかはし みつおみ) / 聞き手:堀正典 救心製薬株式会社 代表取締役社長 慶応義塾大学卒 趣味は謡曲、書道、墨絵、車、ゴルフ、ネイチャーフォトなど

高橋 光臣(たかはし みつおみ)さん
高橋 光臣(たかはし みつおみ)さん
俳優

1982年生まれ、大阪府出身。2005年「それいけ!アンパンマンくらぶ」でデビュー。その後、テレビ朝日「轟轟戦隊ボウケンジャー」(ボウケンレッド / 明石暁・役)、テレビ朝日「科捜研の女」(権藤克利・役)、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」(松岡敏夫・役)、NHK-BS時代劇「神谷玄次郎捕物控」(神谷玄次郎・役)、TBS「下町ロケット」(中里淳・役)、蜷川幸雄演出の舞台「ヴェローナの二紳士」(ヴァレンタイン・役)などドラマ、映画、舞台など幅広く活躍中。

きっかけはハリウッド映画
今日は俳優の高橋光臣さんにお話を伺います。まず俳優になられたきっかけを教えてください。
高橋
高校、大学とラグビーをやっていて、卒業後もラグビーで食べていけたらいいなと思っていたのですが、体があまり大きくなかったので、何か一からやれる仕事、自分に合った一生をかけてやれる仕事ってなんだろうと考えていました。そんな時、テレビで映画「ラストサムライ」の渡辺謙さんの演技を観て、役者ってカッコいいなと思い、次の日には養成所に申請を出してこの世界に入りました。かなり突発的に始めた感じはありますが、人を感動させられる仕事って素敵だなと思ったのがきっかけです。
デビュー作は子供向け番組の「それいけ!アンパンマンくらぶ」で、主役デビューが戦隊ヒーローものでしたね。
高橋
はい、「轟轟(ごうごう)戦隊ボウケンジャー」のオーディションは5000人以上が受けていたので、メンバーのどれかに受かるといいなと思っていました。何度もオーディションをされているうちに、あれっ?もしかするともしかするのではと思いはじめましたが、まさかメーンに選ばれるとは思っていませんでした。
オーディションの最中、選ばれそうだなという手応えはありましたか?
高橋
手応えはありませんでしたね。オーディションは100回受けて1回受かればいいみたいに言われていたので、その時も一喜一憂せず、ニュートラル(自然体)で臨みました。オーディションの後、食事している時にメーン決定の連絡を受けました。
合格した時はうれしかったですか?
高橋
いやあ、叫びたかったですね(笑)。これ以降、大きな役は突然ポンと決まることが多く、決定の報告を受ける時はいつも、感情を表に出せない場所で聞くので、そんな時は事務所に帰って社長と喜び合っています。
朝ドラで大ブレーク
全国的に人気が出たのは、NHK朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の松岡敏夫役でしたね。実直な青年という役どころでしたが、役作りでの苦労やプレッシャーはありましたか?
高橋
台本を読んだらとにかく変な人だし、初めはどう演じていいのか分からず、堀北真希さんの恋人という重要な役どころだったので、色々演技プランを持ってリハーサルに臨みました。それがとんでもない方向の間違ったキャラ作りをしていってしまい、プロデューサーさんや監督さんに別室に連れて行かれ、「君はそのままでいいんだ。作ってきたキャラをすべて投げ捨てて、明日来てください」と言われました。帰りの電車では、「やってしまった、翌日が本番でこんな重要な役なのにどうしよう…」とプレッシャーに押しつぶされそうになりましたが、次の日、アドバイス通りすべてを捨て、素のままで演じたらその演技がOKをいただきました。この時、役作りって難しいなと改めて感じましたね。
ご自身のキャラクターに近かったのでしょうか。当社も高橋さんの誠実な印象に惹かれ「救心錠剤」のイメージタレントをお願いすることにしました。その後、NHK-BS時代劇「神谷玄次郎捕物控」に主演されましたが、劇中の殺陣は見事でしたね。学生時代、剣道もされていたとお聞きしましたが、スポーツの経験は俳優の仕事に役立っていますか?
高橋
ラグビーの他に剣道もやっていて2段まで取りました。殺陣は京都の「剣会(つるぎかい)」というアクション専門のところで勉強させていただいた経験が大きかったと思います。主役で入った作品でも、絡みの相手が僕を教えてくださった先生方ばかりだったので、ちょっと出来が悪かったりしたら陰でこっそり教えてくれたりして本当に助かりました。昨今の世の中は上下関係が崩れてきている部分もあると感じることがあります。昔はもっと厳しい縦社会で、上下関係を重んずる運動部ならではの空気感みたいなものが、自分には身についているのではと思います。
一見華やかな芸能界も礼儀、礼節は大切ということでしょうか。演技の時、緊張するタイプですか?
高橋
緊張はしますね。以前は考えすぎて眠れないこともよくありました。とはいえ逆に緊張がまったくないと良い芝居が出来ないので、最近はいい意味での緊張を保ったまま現場に入っていけるようになりました。
救心錠剤には自律神経のバランスを整える作用がありますので、緊張からくるどうきや息切れにも効果があります。お仕事の時もぜひ、お試しください。
チャンスを掴むための準備が大切
普段の食事で気をつけていることはありますか?
高橋
注意しているのは炭水化物の摂取量と3食バランス良く食べることですね。料理を食べて芝居が良くなる訳ではないかもしれませんが、おろそかにするとマイナス要因になることは確かなので、栄養管理には気を使っています。ただ、困ったことに炭水化物が大好きなんですよね(笑)。
今でも体は鍛えていらっしゃいますか?
高橋
特別な役作り以外では極端に体を大きくしてしまうと、服のサイズが安定しないので、自宅をトレーニングルームに改造して筋トレをしたり、自宅周辺を走ったりして体のベースの部分を適度に鍛えています。殺陣も練習しますが、夜、公園で木刀を振っていて警察に通報されたことがあります(笑)。体力づくりだけでなく乗馬や英会話などもやっていて、今まで演じたことのない役のチャンスが来た時に、ものにできるよう準備しておくことが重要だと思います。
これまで映画、テレビ、舞台と幅広くご活躍されていますが、どれが自分に合っていますか?
高橋
今はテレビの仕事が多いですが、どれがというのは特にありません。すべてが勉強で色々なものを吸収して、それぞれで培った経験が次の仕事に繋がっていくのだと考えています。ただ芸能界入りのきっかけが映画だったので、この先もやはり映画の仕事には携わっていきたいですね。渡辺謙さんのような役者になることが目標で、僕もいずれはハリウッド映画に出演したいです。
今後の目標、抱負は?
高橋
求められるものを体現し表現していきたいと思いますし、いい意味で周囲の期待を裏切る演技のできる役者になりたいと思います。「色んな人の人生を生きられる」というのが、役者という職業の素晴らしいところで、役作りにおいても歳を重ねるごとに分かってくる分、難しくなってくるし、またそれが楽しくもあります。今後、もっともっと大変な役が来ればうれしいなと思います。
恩師の言葉が原動力
座右の銘やお好きな言葉はございますか?
高橋
「一流になれ!」という高校時代のラグビー部監督の言葉ですね。全国大会で負けた時、緊張からの解放と終わった安堵感で笑っていた僕達に、監督が「お前たち悔しくないのか!悔しかったら一流になれ!」と言われ、それがずっと心に響いていて、役者になると決めた時から今でもこの言葉を大事にしています。皆さんに"一流の役者"と言われるようにこの言葉と共に、これからも役者の道を歩んでいきたいと思います。
今後もさらなるご活躍を期待しております。本日はありがとうございました。
2016 vol.29