ツボで養生シリーズ

大腸の働きを応援するツボ〈太淵〉(たいえん)

宮地 つかさ氏
宮地 つかさ(みやじ つかさ)
鍼灸師・国際中医薬膳師

最近テレビで、腸の健康についての番組をよく目にします。実際、長年便秘にお悩みの方は少なくありません。いろいろ試されても解決にならない場合も多く、新しく発見された乳酸菌入りのヨーグルトに期待が高まります。

東洋医学では、排泄の「出す力」の源は「肺」にあると考えます。肺といえば呼吸ですが、酸素を取り込む呼吸の働きは、「頭から足先まで全身に血を送ること」につながっています。血を動かすには「気」と呼ばれるエネルギーが必要なのですが、排泄にも肺から送り出される「気」が必要です。

頑固な便秘の中には、「気」を送り出す「肺の力不足」が原因の場合もあります。運動不足で呼吸による「気」の動きが鈍くなると、便秘が助長されます。「どうしよう」と思った瞬間に呼吸が止まるような一大事、ため息が出るような悩み事、冷房によるつらい冷えなども、大腸を動かす「気」の動きを弱めてしまいます。ヨガや太極拳で便秘が解消するのも、呼吸が整うことに関係していると思います。

そこでまずは「太淵」を押しながら深呼吸です。大腸以外の肺の仲間には、肌と鼻があります。症状では風邪、咳、喘息、蓄膿症、花粉症、アトピー性皮膚炎、肌荒れ、湿疹、過敏性腸症候群など、いわゆる「現代病」には少なからず関わりがあると考えます。肌荒れと便秘の関係も「肺」のつながりです。

食物の味では「辛いもの」が肺と関係しています。今の激辛ブームと乳酸菌ブームの裏には、「肺と大腸を整えたい」という体の無意識の叫びがあるのかもしれません。

しかし無理して激辛料理に挑戦する必要はありません。食物繊維が豊富な「ごぼう」なら、ちょっとピリ辛のきんぴらごぼうで美味しくいただけます。

大腸の働きを応援するツボ〈太淵〉たいえん
【探し方】
手のひら側の手首 親指から降りてきたところ
【ポイント】
呼吸を整え、気持ちを落ち着かせる効果もあるので、深呼吸するとき、軽く押さえると良いでしょう。
2017 vol.31