ツボで養生シリーズ:股関節と膝を守るツボ<環跳>かんちょう

宮地 つかさ氏
宮地 つかさ(みやじ・つかさ)氏 宮地鍼灸治療院院長・鍼灸師 国際中医薬膳師

洋式トイレが珍しかった頃、デパートや駅のトイレでは洋式トイレが空いても、次の人に譲ってしまうご婦人の姿を見かけたものです。ところが今は逆です。和式トイレを敬遠する光景が日常化しています。今や洋式トイレが当たり前ということもあるでしょうが、膝や股関節の痛みが辛くて和式トイレが使えない、といった現実問題があるようです。

膝と股関節の痛みは、シーソーのような関係にあります。どちらかが悪くなると、もう片方にも必ず影響が現れます。たとえ膝痛だけの場合でも、股関節周辺の筋肉は既にかなり硬くなっているので、治療では痛みがなくても股関節の筋肉もほぐします。特に女性の場合、ご本人も気づいていない軽度の股関節の発育不良がある方が結構いらっしゃいます。それが筋力の低下と共に痛みや歩きづらさにつながり、膝へ負担をかけていることもあるのです。

また椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で「お尻の筋肉」に痛みや違和感があると、和式トイレでしゃがむことができません。いわゆる坐骨神経痛といわれる症状ですが、原因は何であれ股関節周辺の無理のない筋力強化で改善を試みる必要があります。家庭用の自転車こぎの健康器具を利用するのも一つです。

ツボはお尻のくぼみにある「環跳」です。このツボを押して痛みや冷たさがあれば、使い捨てカイロで温めると良いでしょう。特に冷房で痛みが悪化する時、冷えて下半身が辛い時は一度お試しいただきたいものです。

毎日いただきたい食材は、骨を丈夫にする魚類です。股関節の骨折は寝たきりにつながります。イワシ、サンマ、サバ、サケなどの缶詰は、骨まで軟らかく調理されている上、賞味期限も長く、通販などでまとめ買いも可能です。手抜きの食事にこそ、養生の知恵と健康へのいたわりが必要です。

環跳
【探し方】
立った時に、お尻の脇にできるくぼみ
【ポイント】
押して痛みや冷たさがある時は、使い捨てカイロで温めると下半身全体が楽になります。