top

気血

Home>気血>気血と救心

気血と救心

「気血」の巡りを良くする「救心」には次の生薬が含まれています。気の巡りを良くする生薬:龍脳、沈香、真珠、人参 血の巡りを良くする生薬:蟾酥、牛黄、羚羊角、鹿茸、動物胆

自然界には植物や動物、あるいは鉱物などを基原とする数多くの生薬(しょうやく)が存在します。東洋医学の考え方では、これらの生薬には個々に様々な性質があり、例えば体を温めるもの、逆に熱を冷ますもの、あるいは体内の水分のバランスを調節するものなど多岐に渡っていて、その中に「気」や「血」の巡(めぐ)りを良くする性質を持つものがあります。「救心」はまさにこの「気血」の巡りを良くする生薬を集めたおくすりであると言えます。

つまり「救心」は、「気血」の巡りが悪くなって起こる動悸や息切れを改善し、さらに「気」が巡らなくなることで起こるめまいや立ちくらみ、頭がボーッとして元気が出ないときの気つけに効果があるおくすりなのです。

東洋医学では「気が巡れば血も巡る」、「気が滞れば血も滞(とどこお)る」といわれるように、「気」は自ら全身を循環するとともに、「血」を巡らせるエネルギーと考えられています。

つまり「気」の巡りを良くする沈香や真珠、龍脳、人参などは、蟾酥や牛黄、羚羊角、動物胆などの「血」の巡りを良くする生薬の働きを高めていると言えます。このように「救心」は配合生薬が協力して「気血の巡り」を促し、すぐれた効果を発揮するのです。

【参考資料】渡邉 武『原典に拠る重要漢方 平成薬詳論』メディカルユーコン(1995)他