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不整脈を知りましょう(刺激伝導系)

心臓は一定のリズムで収縮と弛緩を繰り返しています。右心房上部の洞房結節(どうぼうけっせつ)という場所に自動で動く筋細胞があり、そこで生じた電気信号が特殊な筋肉の道すじ(刺激伝導系といいます)を通じて心筋全体に伝えられます。したがって、全体に統制のとれた収縮と弛緩を行えるのです。

洞房結節で生じた電気信号は、心房内を放射状に広がり、ついで房室結節(ぼうしつけっせつ)に集まります。信号はそれからヒス束 → ヒス束の左右脚束(きゃくそく)→ プルキンエ線維 → 心室固有筋(内膜面 → 外膜面)へと伝えらえていきます。

刺激伝導系のしくみ

心臓の拍動のペースが乱れる病気が不整脈です。不整脈は、通常より脈が速くなる「頻脈性不整脈」と、逆に遅くなる「徐脈性不整脈」、洞房結節以外の部分で発生した電気刺激によって通常の周期外の収縮が起きる「期外収縮」の3種類に大別できます。

心電図の例

なお、頻脈性不整脈の中でも危険な不整脈が次の3つです。これらの危険な頻脈性不整脈以外でも普段から脈が速く、脈拍数が90回以上あるような方の場合には心臓にかなりの負担がかかっていることが考えられますので注意が必要です。

心房細動(しんぼうさいどう)

心房のいろいろな部分で電気刺激が発生し、心房の中でくるくる回る状態になります。心房がブルブルと振動するだけで、心房内に血液がよどむため、血栓ができやすくなり、血流に乗って脳梗塞などを引き起こす危険性があります。

心室頻拍(しんしつひんぱく)

心室に異常な電気刺激が発生し、それが心室内でくるくる回る状態になります。心室筋は速いリズムで収縮を繰り返し、血液を送り出しにくくなります。心筋梗塞や心肥大など他の心臓病があって起こるケースがほとんどです。

心室細動(しんしつさいどう)

心室頻拍がさらに悪化した状態で、心室筋がブルブルと振動するだけで、十分な血液を送り出せなくなるため、すぐに治療しないと死に至ります。最も危険な不整脈です。この不整脈も、大部分は心筋梗塞や心筋症などの他の病気があって起こります。