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健康アドバイス

のどの痛みに効くツボ

つらい咳を和らげる

監修:鍼灸師/国際中医師/国際中医薬膳部 宮地つかさ

秋から冬にかけて空気が乾燥してくると、風邪に関係した訴えが多くなります。その1つがのどの痛みです。普段から声の出し過ぎなどで痛みを覚えることもありますが、免疫力の低下のサインがのどに出やすい季節なのです。

のどの痛みに効くツボはいくつかあります。その中でももっともわかりやすいのが「天突(てんとつ)」です。左右の鎖骨を結んだ中央部の窪みにあります。この窪みに指を当て、からだの奥へ向けて静かに押します。のどはデリケートですから、ゆっくり3秒押したら3秒離すペースで1度に2回程度がよいでしょう。この時、力を入れすぎないように注意してください。

また、のどの痛みに続いて辛いのが、長引く咳です。風邪をひいた時、熱が下がり元気になったつもりでも咳だけ残ることもしばしばです。そのような時は「天突」に「雲門(うんもん)」を加えるとよいでしょう。「雲門」というツボは、鎖骨の下縁を肩に向かって指を進めていくと当たる窪みです。このツボは「肺経(はいけい)」という肺に関係するツボを集めて結んだ「経絡(けいらく)」に属します。経絡とは、ツボを駅にたとえるならツボとツボを結ぶ線路のようなものです。「雲門」は肺のトラブルで反応が出やすく、そのため咳や喘息といった呼吸器疾患の治療によく用いられます。

咳が辛いとき、よく観察してみると、胸全体が普段より固く締めつけられているような感じがします。実はこの時咳ばかり気になりますが、胸だけではなく肩から背中にかけてもかなりこっているのです。肩がこりやすい人は、さらに肩こりがひどくなっています。「雲門」は胸部と肩に通じる場所にあることからも、胸部と背部のこりにも有効なツボなのです。咳がなくても「肺経」ですから、肩こりが辛くて息苦しい時にも使える便利なツボです。

天突(てんとつ)

【ツボの位置】

左右の鎖骨を結んだ中央部の窪み

【探し方】

のどぼとけから指を下へさげて当たる骨の窪み

雲門(うんもん)

【ツボの位置】

鎖骨下縁で肩関節寄りの窪み

【探し方】

鎖骨下縁を肩関節へ向けて指をすべらし止まる窪み

天突(てんとつ)/雲門(うんもん)