top

健康アドバイス

便秘のツボ<支溝>

監修:鍼灸師/国際中医師/国際中医薬膳部 宮地つかさ

いつも便秘気味で、お腹がすっきりしない。中には便秘であることに慣れすぎてしまって、それが当たり前、という感覚でお過ごしの方もいらっしゃるかと存じます。しかし、人は食物を消化、吸収して「気」というエネルギーを作り出し、それを使って日々、生きているのです。排便は、その過程で不用になったものを体外へ排出する、大切な営みです。

しかも東洋医学では、大腸と肺は関係が深く、実際、便秘が改善されて、呼吸が楽になった、ということが多々あります。喘息など呼吸器に関わることでお悩みの時は、特に大腸を整える必要があります。

便秘には勿論、原因があります。東洋医学では、大きく4つのタイプに分類しています。

  1. 熱秘: 辛いものの食べすぎ
  2. 気秘: 座りすぎ
  3. 虚秘: 気や血が足りない
  4. 冷秘: 冷えによる

いかがですか? 思い当たることがあるかと存じます。どれか一つだけというよりも、複数の要因が重なっていることが多いと思います。そこで、どのタイプの便秘の治療にも必ず使う、「支溝(しこう)」というツボをご紹介します。

このツボは、身体じゅうのエネルギーの分配と水分代謝に関わる「三焦経(さんしょうけい)」というツボの仲間に属しています。そのため、気の流れと水の流れが問題となる症状には、三焦経の治療は欠かせません。しかも、いずれのタイプの便秘でも、排便に必要な水分と気が、大腸でうまく働いていないことに問題があります。そして、三焦経のツボの中でも、特に気の流れを良くする作用に優れているのが、「支溝」です。敏感な方ですと、3秒程度、軽く押しただけで便意を催すことがあるくらいです。

便秘の治療には、食生活の改善が不可欠です。バナナ、ほうれん草、ゴマ、クルミなどは、便秘に効く代表的な食材です。

支溝(しこう)

【探し方】

手の甲側、手首から指幅4本分のところの中央。

【ポイント】

手洗いの時などに、意識して触れるなど、押すことを習慣化すると良いでしょう。

支溝(しこう)